花粉症には何が効く?アレグラ錠60やザイザル

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日本は国土の約7割が森林のため、世界的にみても花粉症の患者が多いことで知られています。
日本人の4人に1人は花粉症であるというデータがあり、特に30代~50代にかけての年代が花粉症の患者のメインです。
中には日常生活がままならないほどに重症化してしまう場合もあります。

最近は地球温暖化の影響で、様々な種類の花粉がほぼ1年中飛散しているような状況になっており、常に何かしらの花粉症に悩まされている人も少なくありません。
また、20歳以下の年代での花粉症の発症率も年々増えてきています。
そのため、花粉症が重症化する前に薬でコントロールしていき、身体に与えるダメージを最小限にすることが益々大切になってきています。

花粉症の流行シーズン

日本国内には、花粉症の原因となる植物は60種類以上あり、季節ごとに様々な種類の花粉が飛散しています。
そのうち、日本人が一番悩まされているのがスギ花粉です。
戦後、森林資源を拡大させるため、日本全国に植林が進められたことが原因であると言われています。
また、スギは花粉を風で遠くに飛ばすことで受粉を促進させるため、約200km先まで花粉が拡散するという性質もその一因とされています。

スギ花粉とシラカバ花粉

スギ花粉は春先に流行するイメージですが、実は西日本や関東地方では、早ければ1月ごろから花粉の飛散が始まっています。
ピークとなるのが2月~3月で、GWくらいまで続きます。
東北地方は2月ごろから飛散が始まり、ピークとなるのが3月~4月で、6月くらいまで花粉の飛散は続きます。

一方で、北海道や沖縄にはほとんどスギが自生していないため、スギ花粉はほとんどありません。
本州に近い函館周辺で3月~5月にかけて飛散する程度です。
その代わりに、4月~6月にかけて北海道ではシカラバによる花粉症が流行します。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどに加え、口腔アレルギーがでるのが特徴です。
口腔アレルギーを発症すると、果物を食べたとき、口の中が痒くなったり、腫れたりしてしまいます。

ヒノキ花粉

スギ花粉よりも約1ヶ月ほど遅れて、今度はヒノキ花粉が流行するシーズンが始まります。
西日本や関東は2月~5月が飛散時期で、ピークを迎えるのは4月です。
東北地方は3月~5月、北海道は飛散量は少ないですが5月~6月にかけてです。

ヒノキの花粉もスギ花粉と同様、飛散する距離が長く、広範囲にわたって広がります。
また、スギ花粉症である人はヒノキ花粉症である確率が高いため、両方の花粉の影響を受けてしまうと、一気に花粉症が悪化する場合があります。

イネ科花粉

イネ科花粉症となる原因となる植物はカモガヤ、ネズミホソムギ、オニウシノケグサ、ハルガヤなどの牧草系の雑草が中心です。
明治時代に海外から栄養価の高い牧草として輸入されましたが、生命力が強いため野性化し、農村部だけではなく、都市部でも道端や空き地の雑草として全国に広がりました。
イネ科の花粉は1年に2回、流行のピークを迎えます。
1回目は5月~6月、2回目は8月~9月で、田植えのシーズンや稲刈りのシーズンの時期と関係していると言われています。
イネ科の花粉は大きいため、飛散する距離はせいぜい数百メートル~数キロです。

キク科花粉

また、秋のシーズンに多く流行するのが、ブタクサやヨモギなどのキク科の花粉です。
特にブタクサはスギ、ヒノキ花粉症の次に多い患者数で、戦後アメリカ軍が持ち込んだことで日本に広がりました。
ブタクサの花粉は飛散距離が数10cmと短いのが特徴です。
しかし、花粉の粒子のサイズが小さいため、気管に入ってしまうと激しい咳がでてしまいます。
全国的に飛散するシーズンは8月~10月にかけてで、9月中旬ごろにピークを迎えます。

市販のアレグラFXと処方薬アレグラ60mgの違い

アレルギー症状にザイザルなどの薬がありますが、花粉症を改善する薬として、よく病院で処方されているのが「アレグラ錠60」です。
アレグラ錠60は、有効成分であるフェキソフェナジン塩酸塩を含み、医師の処方箋がなければ購入できない医療用医薬品です。

一方、同じ有効成分であるフェキソフェナジン塩酸塩を含み、薬局やドラッグストアで購入できるのが「アレグラFX」です。
どちらの薬剤にも同量のフェキソフェナジン塩酸塩の成分が含まれ、錠剤のサイズや添加物も同じです。
1回1錠を1日2回に分けて飲むという服用回数も同じになります。

それでは医療用医薬品である「アレグラ錠60」と市販薬である「アレグラFX」の違いはどのような点になるのでしょうか? まず、服用することのできる年齢の違いがあります。
アレグラ錠60の対象年齢は12歳才以上となっていますが、アレグラFXだと対象年齢が15歳以上になります。

この対象年齢の違いは有効成分であるフェキソフェナジン塩酸塩の量が関係しています。
年齢が7歳~12歳未満の場合は、有効成分の量が半分になったアレグラ錠30mgが病院で処方されることになりますが、市販薬のアレグラFXには有効成分が半分になったものは販売されていません。

そのため、15歳未満の場合は市販薬のアレグラFXを服用することはできないので、必ず病院で診察を受けて、薬を処方してもらうという方法を取らなければいけません。
決して、市販薬のアレグラFXを半分に割って飲むようなことはしないでください。

また医療用医薬品であるアレグラ錠60には、水なしで飲めるOD錠やシロップタイプになったものがあります。
市販薬のアレグラFXには錠剤タイプしかありません。
患者の状況に合わせた薬の処方ができるのが、市販品との違いです。

また、薬の効能についても違いがあります。
市販薬のアレグラFXは、花粉症によるアレルギー性鼻炎に対してしか効果がありませんが、医療用医薬品であるアレグラ錠60はアレルギー性鼻炎に加え、蕁麻疹や皮膚疾患、喘息に効果があります。
花粉症というと、くしゃみや鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎が取り上げられがちですが、実は花粉が肌に触れた際に皮膚炎を起こすこともあり、その治療にはアレグラ錠60を使うしかありません。
では、1錠あたりのコストについてはどんな違いがあるでしょうか。

アレグラ錠60は1錠あたり約76円、アレグラFXは1錠あたり約67円になります。
花粉症は長期間にわたって薬を服用することになるので、病院で処方箋をだしてもらい、保険を適応すると、1錠あたりのコストは下がっていきます。
しかし、短期間のみの服用であれば、病院にいく診察代や交通費などを考えると、市販薬を購入したほうが安くなる場合があります。
また、ジェネリック医薬品を海外から個人輸入し使用すると、市販薬の約1/3~1/4の価格で服用できるようになります。

様々なアレルギー治療薬の種類について

鼻水や鼻づまり、くしゃみ、皮膚疾患などのアレルギー疾患を治療するため、様々なアレルギー薬が用いられています。
現在使用されているアレルギー薬は大まかに分類すると7種類に分けられます。

第一世代抗ヒスタミン剤は身体の中でヒスタミンが過剰に分泌され、鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみなどのアレルギーが引き起こされた際に使用する薬です。
抗ヒスタミン剤を使用すると、鼻水やくしゃみが止まったり、皮膚のかゆみが治まったりします。

抗ヒスタミン剤には第一世代と第二世代に分けられます。
第一世代の抗ヒスタミン剤は薬が発売されてから、かなり日が経っているので、薬の価格が安く設定されています。
また、効果が現れるまでの時間は短いものの、1日の服用回数が3回と多く、眠気や口の乾きなどが起こりやすくなります。

一方、第二世代の抗ヒスタミン剤は、第一世代のヒスタミン剤の服用回数の多さなどマイナスポイントを改善した形で開発されたものです。
そのため、薬の価格が高いのが特徴ですが、薬の効果はそのままで、服用回数は1日に1回に減っています。

肥満細胞からアレルギー物質が遊離するのを抑制するのがケミカルメディエーター遊離抑制薬です。
抗ヒスタミン剤と同じく、くしゃみや鼻水、目の充血に効果があります。
第二世代の抗ヒスタミン薬には、ヒスタミンをブロックする作用だけではなく、ケミカルメディエータの遊離を阻害する作用も併せ持っています。

同じアレルギーでも、鼻水ではなく、鼻づまりが酷い場合は抗ロイコトリエン薬が使用されます。
ロイコトリエンは鼻粘膜を炎症させ、鼻づまりを引き起こします。
また、同時に気管支の収縮も引き起こす場合もあるので、抗ロイコトリエン薬で気管支の収縮をストップさせ、呼吸しやすいようにします。

同じような効能があるのが抗トロンボキサンA2薬で、過剰に分泌されると鼻づまりや気管支収縮などを引き起こすトロンボキサンA2を抑制する働きがあります。
Th2サイトカイン阻害薬とは、免疫細胞からサイトカインというアレルギーを引き起こす因子となる物質が産生されることを抑制するアレルギー薬です。
気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎などの治療に使用されます。

その他には、セレスタミン配合錠があります。
非常に即効性があり、効果の高い薬ですが、眠気や身体のだるさ、発熱や下痢、食欲増加などが起こる場合があります。
また、第二世代の抗ヒスタミン剤とプソイドエフェドリンが配合されたディレグラ配合錠は、交感神経を刺激することで、血管を収縮させ、鼻づまりを解消しますが、不眠や動悸などが起きる場合があります。

このようにアレルギーの治療に使用される薬は多岐に及びます。
使い方を間違うと大きな健康被害につながります。
用法・容量をしっかり守って、医師の管理下の元で注意深く服用していく必要があります。

アレグラの製薬会社について

アレグラを開発したのはサノフィ株式会社です。
前身のサノフィ・アベンティス株式会社は、2006年1月1日、サノフィ・サンテラボ株式会社とアベンティス ファーマ株式会社の合併により発足しました。

その後、名称を変更し、サノフィ株式会社となりました。
アベンティスファーマの前身の日本薬品洋行が設立された1919年以降、日本人の健康と笑顔に貢献する、最も信頼されるヘルスケアリーダーになるというビジョンの実現に邁進しています。

事業拠点は世界100か国以上に上り、社員の国籍も147か国以上にわたります。
サノフィ株式会社は多様な文化やノウハウを融合しながら発展してきた歴史から、どんなバックグラウンドを持っていても公平に多くのチャンスが与えられる風土があります。

本社は東京都新宿区にあり、代表取締役社長はジャック・ナトン、社員数は約2200人です。
日本国内には埼玉県川越市に工場、埼玉県三郷市と大阪府茨木市に物流センター、全国各地に営業所があります。

サノフィ株式会社が取り組んでいる主な疾患は糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、アレルギー、睡眠障害、がんです。
主に販売している薬剤は糖尿病の治療薬としてアピドラ注・アマリール、心筋梗塞の治療薬としてアセタノール・アプルウェイ・アンカロン・エホチール・ケルロング、アレルギー治療薬としてアレグラ、インタールなどがあります。

サノフィグループは、フランス・パリを本拠としており、「サノフィジェンザイム スペシャルティケア」、「糖尿病と循環器」、「コンシューマー・ヘルスケアジェネラルメディスンと新興市場」、「サノフィパスツール」の5つのグローバルビジネスユニットで組織されています。

その中のサノフィジェンザイムは、希少疾患、オンコロジー、多発性硬化症、そして免疫領域で構成されます。
前身であるジェンザイム・ジャパン株式会社は、1987年にバイオクテクノロジー企業ジェンザイム コーポレーションの日本法人として設立されました。
海外バイオ企業の日本法人として、最初に自社開発の医療用医薬品の販売に成功し、そののちも希少疾患治療薬開発プログラムを積極的に活動させてきました。

また、ワクチン事業部であるサノフィパスツールは、ヒト用ワクチンの世界最大規模の製造および販売会社です。
安全性と有効性に優れたワクチンを毎年10憶回以上製造し、世界5億人以上の人々を感染症から守るという役割を果たしています。
サノフィパスツールは製品群は世界でも有数の数を誇り、20種類の細菌性、ウイルス性疾患に対するワクチンを供給しています。
また、日本事業部では海外では広く接種されているにもかかわらず、まだ日本には導入されていないワクチンを開発することを基本方針として活動しています。

2015年度のグループ売上高総計は370億5,700万ユーロで内訳は医薬品事業297億9,900万ユーロ、ワクチン事業47億4,300万ユーロ、 動物用医薬品事業25億1,500万ユーロとなっています。
また、同年の研究開発費の総計は52億5,900万ユーロに上ります。